Continuity Central the international business continuity management portal (Screenshot-2017-12-11 )

今回は、BCM 関連情報 Web サイトの老舗といえる「Continuity Central」( http://www.continuitycentral.com/ )(注 1)によるアンケート調査を紹介する。

アンケートの内容は回答者が所属する組織における BCM の活動状況を問うもので、Continuity Central では 2014 年から毎年このような調査を実施しており、過去の調査結果は「Business continuity trends and challenges」というタイトルの記事で公開されている(注 2)。

実はタイトルに「interim survey results」(暫定的な調査結果)とあるように、まだアンケート調査はオンラインで続行中であり、本稿で紹介する内容は 11 月 3 日に発表された途中経過である。恐らく途中経過を公開して読者の関心を集めて回答数を増やすのが狙いだと思われる。

そこで本稿でも本調査の途中経過を報告しつつ、回答数を増やすお手伝いをさせていただきたいと思う。過去のスケジュールから、恐らく今回の調査結果は来年の 1〜2 月に公開されると思われるので、その頃にあらためて本連載にて最終結果を紹介したい。

まず回答者の内訳を見ると、途中経過の時点で米国からの回答が 35% で最多であり、これに英国 24%、オーストラリア 10% と続いている。また回答者の 83% が大規模な組織からの回答との事である。

次に「2018 年の間にあなたの組織の BCM はどのくらい変化すると思うか?」という設問に対しては、半数以上の回答者が「変更は少ないと思う」と回答している一方で、34% が「大幅に変わると思う」と回答している。予想されている変化のトップ 5 は次の通りである。

- 新しい BCM ソフトウェアの導入: 12%
- 事業継続戦略および/または BCP の大幅な改訂: 10%
- サイバーセキュリティおよびサイバーリスクに、より注目するようになる: 8%
- サプライチェーンの継続性に、より注目するようになる: 5%
- より多くのテストや演習を実施する: 5%


また 2018 年に予想している、BCM の活動を困難にしうる要因としては、次のようなものが挙げられている。

- 予算と資源の不足: 40%
- トップマネジメントのコミットメントや支援の不足: 14%
- 組織における(他の課題との間での)優先順位の競争: 13%


前述のとおり、来年には最終的な調査結果が発表されると思われるので、その時にはあらためて、過去の調査結果とも比較しながら最終結果を紹介したいと思う。

なおアンケートには下記 URL から、12 月中旬まで回答できるようである(注 3)。全部で 7 問のシンプルなアンケートなので、お時間があったら回答してみていただきたいと思う。日本からの回答が急に増えると驚かれるかもしれない。
https://www.surveymonkey.co.uk/r/BCin2018

■ 報告書本文の入手先(Web ページのみ)
http://www.continuitycentral.com/index.php/news/business-continuity-news/2437-business-continuity-in-2018-interim-survey-results

注 1) 詳細は不明だが、筆者の知る限り少なくとも 2005 年には既に存在していた。

注 2) 次の URL に「Business continuity trends and challenges」の 2015、2016、2017 年版が掲載されている。 http://www.continuitycentral.com/index.php/knowledge/knowledge-base/business-continuity/statistics-and-surveys

注 3) 本稿執筆時点(2017 年 12 月 9 日)ではまだ回答可能な状態にあった。

(了)