住宅へのサイバー攻撃のデモを行った

ミサワホームは14日、東京・渋谷区のTBSハウジング渋谷 東京ホームズコレクション内にある同社の住宅展示場において、スマートハウスの機能安全における国際標準規格案の進捗やIoTへの取り組みについて記者説明会を実施した。同展示場では同社が今年創立50周年を迎えたことから50のIoT機器を置き、様々な検証を行っている。

子会社のミサワホーム総合研究所が経済産業省からの委託を受け、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共に2016年度から「スマートハウスの機能安全に関する国際標準規格案の策定」に取り組んでいる。住宅でICTによる家電やエネルギー制御などを行うスマートハウスにおける国際標準規格を日本発で取得する企画。事業期間は3年で、今年NP(新規業務項目提案)が通った。

コミュニケーションロボット「BOCCO」(メーカー:ユカイ工学)と木製IoTディスプレーの「mui」(同:mui Lab)。隣のQRコードから製品情報サイトにアクセスできる

渋谷の展示場ではAIスピーカー「グーグルホーム」やユカイ工学のコミュニケーションロボット「BOCCO(ボッコ)」といった最新機器のほか照明や防犯カメラなどIoTに対応した様々なメーカーの機器を置いている。

この日はIoT住宅の危険性についても説明。外部からサイバー攻撃を受けると、鍵を勝手に開けられる、防犯カメラが機能しなくなる、エアコンの暖房をつけたはずが勝手に冷房に変えられるといった事象をおこされる可能性があり、実際に照明を使った実演も行われた。また、相反するコマンドの衝突が起こることもある。エアコンが窓を閉めようとしているのに対し、火災報知器が異常を感知し窓を開けようとするといった事例。様々な機器がつながると1つ1つが正常に動いてもトータルで不具合を起こすことがあり、ミサワホームでは安全性も含めた課題検証を進めていく。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介