2018/01/17
阪神・淡路大震災から23年
1995年の阪神・淡路大震災を経験した神戸市消防局員が原案を手がけた防災絵本「地震がおきたら」(BL出版)の読み聞かせ会が14日、神戸市のイオンモール神戸南にある喜久屋書店において行われた。絵本は親子で話し合う設定で、子どもにわかりやすく地震が起きた時にとるべき行動を説明している。
原案を手がけたのは神戸市垂水消防署所属の消防指令・谷敏行氏。谷氏は神戸市北区出身。中学2年生の時に震災を経験。がれきの片づけのほか、復興作業員に対し、地元にある有馬温泉への案内といったボランティアも行った。現在2児の父。子どもへの防災の重要性を伝えるために絵本にすることを考え、絵本作家のかなざわまゆこ氏が絵を手がけることを決め、出版社に提案。BL出版が引き受け、畑中弘子氏が子どもにもわかりやすい文章にまとめた。
絵本は約30ページ。被災経験のある母親が2人の子どもと地震時にするべきことを話し合う。まず身を守ること、閉じ込められたら叫ぶことなど、「子どもに関心を持ってもらい、最低限度伝えたいことをまとめた」(谷氏)。巻末には神戸市消防局からとるべき行動や普段からの備えについて、より詳細なメッセージが記されている。
2017年10月の刊行から、初版3500部が事前予約でほぼ完売し、第3版まで発行が決まるなど全国から反響があるという。谷氏は「震災から23年が経過し、経験を語り継ぐイベントも減ってきている」とし、今後も防災の重要性を伝えるよう取り組みに注力する。
■ニュースリリースはこちら
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2017/09/20170914913801.html
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
阪神・淡路大震災から23年の他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月23日配信アーカイブ】
【4月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:南海トラフ地震臨時情報を想定した訓練手法
2024/04/23
-
-
2023年防災・BCP・リスクマネジメント事例集【永久保存版】
リスク対策.comは、PDF媒体「月刊BCPリーダーズ」2023年1月号~12月号に掲載した企業事例記事を抜粋し、テーマ別にまとめました。合計16社の取り組みを読むことができます。さまざまな業種・規模の企業事例は、防災・BCP、リスクマネジメントの実践イメージをつかむうえで有効。自社の学びや振り返り、改善にお役立てください。
2024/04/22
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
-
民間企業の強みを発揮し3日でアプリ開発
1月7日、SAPジャパンに能登半島地震の災害支援の依頼が届いた。石川県庁が避難所の状況を把握するため、最前線で活動していた自衛隊やDMAT(災害派遣医療チーム)の持つ避難所データを統合する依頼だった。状況が切迫するなか、同社は3日でアプリケーションを開発した。
2024/04/11
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方