Incident Command System

地方公共団体金融機構 合田克彰

東日本大震災のような大規模災害時には、国内だけでなく海外も含めたさまざまな機関が連携して対応にあたることになる。そのためには、言語や習慣が異なっても、共に活動ができる災害対応の標準化されたルールが必要になる。その標準化されたルールとして世界的に浸透しているのがアメリカのICS(Incident Command System)だ。元国際緊急援助隊レスキューチーム(JDR)副団長・国際消防救助隊(IRT)総括官で、現在、地方公共団体金融機構リスク管理統括課次長の合田克彰氏に、東日本大震災において日本の消防と海外の救助隊はどのように連携したのかを例に、ICSの具体的な要素を解説してもらった。

1  はじめに 
2011年3月11日、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の地震が発生し、東日本に甚大な被害が発生、全国の消防、警察、海上保安庁、自衛隊などが総力をあげて救助活動を行いました。救助活動には日本国内だけでなく、海外からも29の国、地域、機関から救助隊・専門家チームなどが派遣され、消防としては、緊急災害対策本部(以下「緊対本部」という)から消防庁への要請に基づき、7カ国の救助隊の活動を支援しました。 

今後、東日本大震災のような大規模災害時には、国内だけでなく海外も含めてさまざまな機関が連携して活動できる体制、すなわち言語、習慣が異なっても活動できる標準的な仕組みが必要となります。2011年11月には、米国のICS(Incident Command System)などをモデルに国際標準化機構が危機対応システムのISO22320を発行し、日本でも2013年10月に日本工業規格化(JISQ22320)されています。また、2013年10月から内閣府においてICSなどを参考にした災害対策の標準化が検討されています。 

ICSは、日本では馴染まないという学識経験者の意見もありますが、本稿では消防にとって、ICSというシステムがなんら特別なものではないということを、東日本大震災での大阪市消防局と海外救助隊との連携の事例をもとに検証していきたいと思います。 

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