過去の支援経験から、都は受援の重要性を学び計画を策定した(写真は2017年9月3日に行われた東京都・調布市合同総合防災訓練において、東京消防庁と川崎市消防局が協力し救出訓練を行う様子)

東京都は1月31日、「東京都災害時受援応援計画」を発表した。都による他の地方自治体などからの本格的な受援計画の策定は初めて。大規模災害時には都や都内区市町村だけでの対応は困難であるという前提で、都内区市町村や他県市との調整などを計画で定めた。

都はこれまで、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震など大災害のたびに被災地に多くの職員を派遣してきた。都の記録である「平成28年熊本地震 支援の記録」で受援体制に触れたほか、2017年12月に改定した「東京都業務継続計画(都政のBCP)」でも他県市からの応援の受け入れを行う方針を示していた。

都災害対策本部に受援部門として(1)区市町村調整部門(2)人員調整部門(3)物資・輸送調整チーム(4)国・他県市広域調整部門―を設置。(1)で被災区市町村から被害情報や人的・物的ニーズを収集。(2)では区市町村の人的ニーズを集約し、応援人員に関する調整を行う。(3)で被災区市町村の物的ニーズを集約し、支援物資に関する調整を行う。(4)では国や他県市との調整を行う。都では他自治体と災害相互応援協定を締結している。全国知事会や、首都圏の都県と政令指定都市で構成する九都県市、九都県市と協定を結ぶ関西広域連合などへ応援を要請し、受け入れについて調整する。

海外からの人的・物的支援については政府の緊急対策本部と現地対策本部がまず調整窓口となり、都災害対策本部においては国・他県市広域調整部門が担当する。在京大使館との連絡窓口は都政策企画局の外務部が行う方針。

■ニュースリリースはこちら
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/01/31/16.html

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介