1996年の設立以降、急成長を遂げているインターネット検索大手のヤフー。2012年6月に宮坂学新社長が就任した後は、“爆速”をスローガンに、さらに成長スピードを加速させた。その同社が、全社的リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)への本格的な取り組みを開始した。リスクマネジメントは、ややもすると成長と逆行すると受け止められがちだ。しかし、企業を脅かすリスクは増加し続けている。自然災害、感染症、情報漏えい、サイバー攻撃、社員の不祥事、反社会勢力の介入…。これらへの対策を同時に進めなければ経営の足元をすくわれかねない。同社のERMは、経営のスピードを妨げず、仮に顕在化すると大きなダメージを受ける重点リスクを洗い出し、優先的に対策を講じるというものだ。

◆トップページだけは落とさない 
 Googleのホームページに飛ばすアイデアも

◆ヤフーを脅かした過去のリスク
 10倍のスピードを支えるERM

◆0点を防ごう、まずは30点を目指そう 
 自分の頭で考え行動できる組織

◆最低5つのリスクを洗い出す 
 影響度と発生可能性でマップ化

◆これがヤフーの訓練だ
 トップを巻き込む仕掛け

◆ERMの本質と手法 インタビュー
 企業の成長を妨げるリスクを取り除く