ニュースの真相 The Fact

岡本正総合法律事務所弁護士
中央大学大学院公共政策研究科客員教授
慶應義塾大学法科大学院非常勤講師
岡本正

2015年1月13日、仙台地方裁判所は、常磐山元自動車学校津波訴訟において、同自動車学校に対する法的責任を認め、原告である教習生らの遺族に対し、ほぼ請求額に近い賠償を認める判決を言い渡した。自動車学校の安全配慮義務違反を認定し、教習生らの死亡との間の相当因果関係を認めたのである。東日本大震災の津波犠牲訴訟は、全国で少なくとも15件が確認されており、第一審判決は本件が4件目となる。本稿は、判決がいかなる教訓を残そうとしているのか、企業のリスク・マネジメントの視点で考察を加えるものである。

常磐山元自動車学校津波訴訟とは


2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う津波により、株式会社常磐山元自動車学校の自動車教習所の教習生25人(いずれも18~19歳)と職員1人が犠牲になった。遺族らは、自動車学校が迅速に教習生らを避難させず、災害対応のマニュアル整備も怠っていたとして、教習契約に基づく安全配慮義務違反等を根拠に会社及び役員らに対し損害賠償を求めた。このほか、津波犠牲者による訴訟で、判決に至った事件としては、(1)私立日和幼稚園(石巻市)の園児が送迎とともに犠牲になり賠償を認めたもの(仙台地方裁判所平成25年9月17日判決)、(2)七十七銀行女川支店屋上に避難した従業員が犠牲になり賠償を認めなかったもの(同平成26年2月25日判決)、(3)宮城県山元町立保育所で保育中の園児が犠牲になり賠償を認めなかったもの(同平成26年3月24日判決)がある。

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