東京消防庁の救急隊員が外国人参加者にトリアージタグを手渡した

東京都江戸川区・葛飾区・江東区・墨田区の消防・救急を管轄する東京消防庁第七消防方面本部は14日、江戸川区の葛西臨海水族園で首都直下地震を想定した救助・救急訓練を実施した。東京消防庁の消防隊200人のほか、葛西消防団、東京墨東病院と東京曳舟病院の東京DMAT(災害派遣医療チーム)、葛西臨海水族園自衛消防隊から計223人が救助側として、外国人10人を含む55人がけが人として参加した。

足場に体を挟まれた負傷者救出の訓練の様子

2020年東京オリンピック開催期間中に震度6強の首都直下地震が発生。葛西臨海水族園の「空の広場」で改装中のドームの足場が倒壊するなど、多数の負傷者が出たという設定で訓練が行われた。けが人の内容は重症7人、中等症14人、軽症25人、無症9人。

地震発生のアナウンス後、ドーム内の負傷者に対し水族園の自衛消防隊が応急救護や外への誘導を行った。その後、東京消防庁の救急隊や消防団、東京DMATが到着。足場の崩壊で挟まれた負傷者の救助、トリアージ、救護や搬送作業を行った。外国人には英語も交え説明。トリアージで重症を示す赤判定の負傷者を優先し救護や搬送を行った。

葛西臨海水族園の年間来場者数は約150万人。五輪カヌースラロームの会場も近く、今後外国人の来場増も予測される。東京消防庁第七消防方面本部の山本豊本部長は訓練後の講評で「この水族園は救急隊がなかなか来ることができず、早くトリアージし搬送することが大事。今回は最初の搬送に30分かかった。本番に備え、一つずつ検証を行いたい」と述べた。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介