事例から読み解く危機管理の本質
~危機対応の良否は財務インパクトに反映される~

講師:眞崎リスクマネジメント研究所 代表 眞崎達二朗氏

チッソの汚染問題、森永乳業の砒素ミルク事件、雪印の2回にわたる食品事故、福知山線の脱線事故、JR東京電力の原子力対応…過去の企業の危機事案は経営にどのような影響を与えたのか。また、危機の本質はどこにあったのか。金融業界での長い経験を生かし企業のリスクマネジメントを研究してきた眞崎達二朗氏が解説した。

チッソの汚染問題、森永乳業の砒素ミルク事件、雪印の2回にわたる食品事故、福知山線の脱線事故、JR東京電力の原子力対応…過去の企業の危機事案は経営にどのような影響を与えたのか。また、危機の本質はどこにあったのか。金融業界での長い経験を生かし企業のリスクマネジメントを研究してきた眞崎達二朗氏が解説した。

私は今年で82歳になりますが、これまで数多くの企業の危機というものを見てきました。戦後間もない時代から現在に至るまで、企業の危機対応を振り返り、危機管理の本質について私見を述べさせていただきたいと思います。

チッソの水銀汚染事件 


チッソ株式会社の水銀汚染は、チッソ工場があった熊本県水俣市で、有明海の魚を食べた住民に水銀中毒患者が続出した事件です。1973年にチッソの汚染水に原因があることが決定し、補償金を払うことになりました。74年3月期には売上高264億3600万円、純利益6億8100万円に対し、賠償費は66億円。以後も多額の補償費を計上して78年3月期には繰越欠損金は364億円に達し、自己資本もなくなり、上場廃止に追い込まれました。 

2005年のバランスシートを見ると、売上高1147億円に対し長期借入金が1420億円と売上高を上回っています。既に死に体のはずなのですが、なぜ生き延びたかというと、

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