新たな教育研修事業について説明するアライドテレシスアカデミー・小林社長

アライドテレシスは7日、サイバーセキュリティに関する高度人材教育事業を開始すると発表した。国防のサイバーセキュリティの専門人材育成を行う米ノリッジ大学などと連携し、世界的にもレベルの高い研修プログラムを提供し、通信インフラをサイバー攻撃から守る高度な人材育成を目指す。

サイバーセキュリティ分野では特定企業の重要情報入手を目的とする標的型攻撃や、PCのシステムにカギをかけて使えなくし修復するための身代金を要求するランサムウェアなど、サイバー攻撃が巧妙複雑化している。今後2020年東京オリンピック・パラリンピック、IoT技術の広がり、マイナンバー制度の本格始動など、サイバーセキュリティへのニーズが高まっており、業界ではコンピューターセキュリティインシデントに対応するための専門チームCSIRTを企業や組織内に設置することが求められている。経済産業省の調査によると、2020年までに約19.3万人の情報セキュリティ人材が不足するとの推計もある。

アライドテレシスでは、米国の情報システム監査団体・ISACAと提携し、CSIRTメンバー候補者向けのオンライン講座「サイバーセキュリティ・ネクサス」を1月18日から提供を開始している。同コースでは1年間59万円(税別)のライセンス有効期限中に全109コースを無制限に受講でき、修了者はISACAの認定資格を取得できる。

今回はさらにノリッジ大学と連携し、同大学の教育コンテンツを使用してサイバーセキュリティのエキスパートを育てる7つの研修コースを追加し、今年4~6月から逐次提供を開始する。

このうち最も専門性が高い「サイバー演習防災訓練」コースは、ノリッジ大学応用研究機関(NAURI)が開発したサイバーセキュリティのシミュレーション演習ツール「DECIDE platform(ディサイド・プラットフォーム)」を使用する。このプログラムは2011年から米英の金融業界全体で取り組むサイバー演習で採用されており、日本でも2016年から金融庁が始めたサイバー演習「Delta Wall(デルタウォール)」でも採用されるなど、世界のサイバーセキュリティ対策の最先端で利用されているもの。

また「IPA情報処理安全確保支援士CSIRTサイバー演習」コースは、北陸先端科学技術大学院大学との連携により、情報セキュリティ分野の国家資格「情報処理安全確保支援士」の資格試験内容で最難関の「午後II」対応した2日間の実習研修を実施する。

また同社では、今年「サイバーセキュリティラボ」を開設し、4~6月にも活動を開始する。ここでは複雑化するサイバー攻撃の解析し、その成果を個別企業向けのネットワーク脆弱性診断や対策構築といったコンサルティングサービス事業に生かすほか、教育研修事業のコンテンツとしても活用するしていくという。

教育研修事業を統括するアライドテレシスアカデミーの小林忍社長は、東京都江東区の東京ベイ有明ワシントンホテルで行われた7日の記者会見で「これまで非常に高額だったサイバーセキュリティ教育研修が、バーチャルラーニング形式のコンテンツが急速に充実して手頃に受講できるようになってきた。今後も世界の最先端のコンテンツを日本に紹介し、日本を代表する技術者を輩出していきたい」としている。

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http://www.at-global.com/news/2018/0307/

(了)

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