東日本大震災、タイ大洪水を経てリスクを一元管理
株式会社ケーヒン

仙台市から海沿いを南へ車で1時間ほど。福島県との県境にほど近い角田市に主要拠点を構えるケーヒンは、オートバイや自動車の燃料供給部品や電子制御部品、空調システム部品など、さまざまな部品を手がけるメーカーで、現在は北中南米、ヨーロッパ、アジアなど世界14カ国に拠点を持ち、32のグループ会社に2万2060人の従業員を抱えている。独自の展開で


2006年から自然災害BCP 構築に着手し、備えの充実を図ってきた。東日本大震災では想定外の津波と地震により大きく被災したが、BCPの発動により自社だけでなく取引先の復旧にも多くの社員が総力を上げて、早期復旧を可能にした。2つの災害を経て、現在同社では全世界の拠点でBCM体制強化に取り組んでいる。

「もともとは地震など自然災害に対応するためのBCPだったが、東日本大震災やタイの洪水を経験し、全社的なリスクを管理するBCMへと手法を変えた」と話すのは、株式会社ケーヒンBCM推進室長の太田和広氏。

同社のBCP構築は2006年から開始した。宮城県沖地震の発生確率が30年以内99%という非常に高い確率で発生するという報道などに触れ、まず全社的な防災活動に取り組みはじめた。生産設備で1万2000カ所に及ぶ転倒防止や落下防止策を施したほか、全体の25%にも及んだ旧耐震基準の建物をすべて新耐震基準を満たすように補修するなど、積極的にBCPを展開してきたという。2011年の東日本大震災では周辺が大きな打撃を受けるも、BCPを発動する事で操業中の人的被害はなく、生産設備では被害を最小限に抑え、通電後72時間で大量生産を開始することができた。また、同年のタイの洪水に対しても被害はあったものの、東日本大震災での水没した設備復旧の経験が生かされ、早期復旧することができた。しかし、「想定を超えた2つの災害には力づくで対応してしまったが、次はもう“想定外”とは言えない。事業継続を阻害するリスク全体をカバーするBCMへの進化が必要だと痛感した」と当時を振り返る。

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