企業の危機管理担当者向けアカデミーを開校
ニュートン・コンサルティング株式会社

BCPやリスクマネジメントのコンサルティング業務を展開するニュートン・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、副島一也社長)はこのほど、経営を推進する力としてのリスクマネジメントを教える「ニュートン・アカデミー」を開校した。①リスクマネジメント、②ITガバナンス、③危機管理/BCP、④ISOの大きく4つをテーマに、経営層から管理者、実務担当者、そして一般従業員と幅広い層をターゲットに、レベルに応じた授業を展開していく。

昨年11月24日には、同社が入る千代田区麹町の相互半蔵門ビルディング内のセミナールームで開校記念講座を開き、基調講演として日産自動車グローバル内部監査室の菅原正氏と、京都大学防災研究所巨大災害研究センター教授の牧紀男氏が演台に立った。菅原氏は、90年代後半の経営が厳しかった時代を乗り越えて今日に至った日産のリスクマネジメントの取り組みについて語り、時代や組織内外の環境の変化に応じたリスクマネジメントの展開が必要とした。その上で、「リスクマネジメントはアクセルに対してブレーキというようにネガティブなイメージで受け止められることがあるが、そうではない。追い越し車線を全速力で追いかけていくとき安全装置のようなものだ」と語った。さらに「様々なリスクに対してきちんと対応できている状況にしていくためにはPDCAサイクルを回していける経営を含めた仕組みが必要」と強調した。

牧氏は、マルチハザードを考慮した防災計画の作り方について発表し、リスク評価を行う上で、単に発生確率と影響度でリスクを定量的に分析するだけでなく、組織として影響度を重視するのか、確率を重視するのか、自らの指標をしっかりと定めた上で対策を行うことが重要とした。また、計画の実効性を持たせるためには「自分たちで策定した計画である」という“我が事意識”を持たせることが重要で、そのためには、計画策定のプロセスで、各部局の担当者、職員が参加できるようにすることがポイントになるとした。

ニュートン・アカデミーの校長としての立場を担う同社副社長の勝俣良介氏は「モットーは経営に役立つスキルが確実に身につく場を提供すること。経営に役立つためには、リスクマネジメントに関する知識やテクニックが経営の何に役立つのか、それがどうやったら役立つかを常に意識していないといけない。さらに、スキルが確実に身につくようにするには、自らの頭で考えることが重要で、そのような場を提供していきたい」とあいさつした。

当日は、企業の危機管理担当者ら約20人が参加。基調講演に続き、参加者は4グループに分かれ、「リスクマネジメントの見える化」「BCP評価」「サイバー対応」「演習」の各テーマについて、課題と対策を話し合った。参加者からは「他社と本音で意見交換ができたことでとても刺激になった」「今まで考えていなかった意見を聞くことがでニュートン・アカデミーのカリキュラムき勉強になった」などの感想が出ていた。