各国の状況を知る

海外安全ホームページには、さまざま国や地域の安全情報が載っている。テロや誘拐に加え、自然災害や感染症の危険情報も入手できるので、渡航前・渡航中にはチェックすることが重要だ。

渡航先が決まっていたら、まずその国の情報をチェックしてみよう。国ごとに、「危険情報」「スポット情報」「広域情報」「安全対策基礎データ」「テロ概要」などのカテゴリーが設けられている。このうち、「危険情報」は渡航・滞在にあたって特に注意の必要な国・地域の情勢や安全対策の目安を、①十分注意してください②不要不急の渡航は止めてください③渡航は止めてください(渡航中止勧告)④退避してください。渡航は止めてください(退避勧告)、の4つに分類して色別で示している。昨年2015年9月に、「渡航情報」という名称を「海外安全情報」へ改称するとともに、「危険情報」のカテゴリーの表記をわかりやすい表現に改めた。併せて各大使館や総領事館のホームページ上にも各国の安全対策に関わるさまざまな情報が提供されている。

こうした情報は、日々、定点観測して、各国を取り巻く情勢の変化を見ていくことが重要だが、定期的に見ることが難しい場合には、最低でも同省が配信するメールマガジンなどを活用することで安全情報を入手できるようになる。

また、万が一の事態に備え、各在外公館と常に連絡が取りあえる体制にしておくことも大切だ。在外公館のリストは、外務省のホームページに掲載されている。http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/zaigai/list/

 
 
 

各危険情報を即座に通達

渡航する際は、2014年7月から運用が始まった「たびレジ」に登録することで、現地で事故や災害が起きた際の素早い情報入手が可能になる。フランスのパリの同時襲撃テロでは、襲撃事件があってから2時間ぐらいに第1報の一斉メールが送られた。今後は、事実確認がとれなくても、もっと早い段階で第1報を流すことにしているという。事態の変化に応じて、第2報、第3報、第4報と最新の情報も届けてくれる。

具体的な旅行予定がなくても、安全情報だけをメールマガジンで配信してもらうことも可能だ。

同じく、2015年7月からは海外安全アプリも無料で利用できるようになった。GPS機能を利用し、現在地および周辺国・地域の渡航情報を表示できるほか、任意の国・地域の渡航情報も通知してくれる。このほか、各国・地域の緊急連絡先も簡易表示することができる。