気象計算のプログラムを約10倍の速度で処理するスーパーコンピューターシステム(気象庁HPより)

日立製作所は16日、気象庁の新しいスーパーコンピューターシステムを構築し、6月5日から稼働を開始すると発表した。これまでに比べて気象計算のプログラムを約10倍の速度で処理する能力を持ち、台風強度予報の予報期間の延長、降水予測情報の改善、2週間気温予報の開始、黄砂予測の改善が期待される。

午前3時、午前9時、午後3時に行う予報は、現在の84時間(3.5日)から132時間(5.5日)に延長。6月下旬までに実施予定。2018年度末までに、台風の中心気圧や最大風速など強度予報は、現在の3日先から進路予想と同じ5日先まで延長される。

詳細な降水分布を予測する「降水短時間予報」の予報時間も6月下旬までに、現在の6時間先から15時間先まで延長。2019年度早期には、集中豪雨や暴風などの災害をもたらす現象の予測に、複数予測の手法を取り入れる「メソアンサンブル予報システム」の運用開始を予定している。

2019年早期には、2週間先までの気温予報を開始。5日間平均の気温の予測値を毎日発表し、1カ月先から数カ月先までの予測情報の基礎データとなる予報システムを順次高度化することにより、長期的な予測情報の改善ができる。

静止気象衛星ひまわりによる観測データを活用し、黄砂予測システムも高度化。これまでの黄砂予測は観測地点のみのものだったが、ひまわりのデータを活用し、広域的な黄砂の分布がわかる黄砂解析予測図は、2019年度末に提供開始の予定だ。

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http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2018/05/0516.html

(了)

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リスク対策.com:横田 和子