3つ目はベッド!避難所では室内でも特大テントでプライバシーもばっちり!

(画像提供/宮定章氏)

まずは簡易ベットがやってきます。キャンプ道具でも同じものが販売されていますので、寝心地を試したい方はアウトドアショップをのぞいてみてください。寝心地、結構いいんですよ♪

(画像提供/宮定章氏)

ちなみに海外の災害救助犬たちは、被災現場に入った際、このような簡易ベットで寝ている光景もよく見ます。

でも、そうは言っても簡易ベッドです。ずっとこのままだと辛くなりますね。
だから、1週間後くらいにはマットレスのある普通のベッドになります。

(画像提供/宮定章氏)

日本の体育館の冷たく硬い床との違いを思い起こさずにはいられません。もちろん、イタリアでは床に直に寝るという風習がないこともありますが、日本でも床に直接寝るなんてありえないと、認識を変えたほうがよいと思います。その事について書いた過去記事はこちら。

■災害対策もかねて、テント泊デビューはいかが?
夏のキャンプにも災害時にも使えるテント選びを楽しもう!
http://www.risktaisaku.com/articles/-/1928

上記にも書きましたが、日本の避難所となっている学校の体育館の多くは断熱構造ではありません。熱伝導率の高いガラス窓も寒い原因ですし、何よりも床からの冷気がそのまま伝わってきます。断熱性能がないので、夏暑く、冬は寒いです。

体育館に比べて、雪山のテントの方が快適な理由は、テントの中に断熱マットを敷くからです。断熱マットには空気を入れるタイプのものもあります。それは、空気が自然界最強の断熱素材だからです。

避難所でダンボールを敷くのは、テントで断熱マットを敷くのと同じ現象を作り出しています。ダンボールは毛布と違って断熱材だからです。ダンボールを箱型にして敷き詰めてベットにしたほうが温かいのは、ダンボールが断熱材であるだけでなく、ダンボールの中の空気が断熱材になるからです。

しかし、それでも体育館は本当に寒いです。本格的な雪山断熱マットがあっても寒く、テントで寝るよりも冷えます。体育館は広いので、空気が動いてしまい断熱にならないからです。

イタリアでは、室内にもテントを張ります。このテント!8人用です。

(画像提供/宮定章氏)

下の写真の状態から

(画像提供/宮定章氏)



イタリアの災害ボランティアのテント組み立て(出典:Youtube)

こんな風に空気をいれて設置します。1つのテントの設営はたったの5分!テントの熱伝導率は低いので、テント外部からの冷気も遮りますよね。そしてテント内部の空気は動きにくくなるので、テント内にある空気も断熱材になり暖かさを維持します。

(画像提供/宮定章氏)

そして、充分広いですね。テントの中には仕切りをつくってプライバシーを確保します。

ということで、トイレ、キッチンカーによる食事、そしてベッドの3つが、すばやく避難所に運ばれます。この時、トイレはもちろん、ベットと食事の場所もすべて別です。衛生面だけではなく、被災生活が日常生活からかけ離れたものにしないためにも、寝る場所と食事の場所を一緒にはしません。

さらに、朝、地震が起こったら、夕方にはこの3つが到着することを目指しているそうです。目標12時間ってことでAmazonプライムとか、ヨドバシカメラなみ!?

その後、テントは法律で48時間以内、マットレスのベッドは1週間以内の到着を目指しているそうです。

もちろん災害によって、いつも目標時間内というわけではないそうですが、それでも、目標時間は決めているそうです。では、なぜそんなにスムーズに避難所に物資を送ることができるのでしょうか?国や市など公務員の方達が積極的に動いているからでしょうか?イタリアの国家安全省を訪ねた宮定氏が聞いた答えはこうでした。

「イタリアは災害が多く、私たち公務員だけではとても災害救援はできません。私たちは 直接支援するのではなく、被災者が何を必要としているかを聞く立場なんです」 

国家安全省の方は、被災者や支援に入る方の声を聞き、調整するのが仕事であるとのこと。実際に中心になって動いているのは、こちら。