企業の挑戦
海外拠点と連携したBCMS(事業継続マネジメントシステム)
AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社(本社:東京)

半導体・液晶ディスプレイ製造用フォトレジストなどの電子材料を製造するAZエレクトロニックマテリアルズ株式会社(本社:東京都文京区)は、事業継続マネジメントシステム(BCMS)の国際規格であるBS25999-2:2007の認証をSGSジャパン株式会社から2010年11月5日付で取得した。同社は、海外拠点での代替生産など、グローバルなバックアップ体制によるBCP(事業継続計画)の構築に力を入れてきた。同社の主力製造・開発拠点(メインサイト)静岡テクノロジーセンターBCMS管理責任者の若松裕己氏は「今後、世界各地のサイト(拠点)にも指導していきたい」としている。

写真を拡大IMP訓練の様子

■グループ拠点やサプライヤーとも連携
AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社は、液晶テレビや携帯電話などのフラットパネルディスプレイや半導体の製造プロセスで使用される電子材料の製造メーカー。特にフラットパネルディスプレイ市場におけるフォトレジスト分野では世界トップシェアのサプライヤーとして知られる。

同社はアジア、ヨーロッパ、北米など世界10カ国にグループ拠点を持ち、海外拠点におけるグローバルな事業継続体制の確立に早くから取り組んできた。2005年には、大手グローバル再保険会社のリスクコンサルティング部門の指導の下、海外拠点との連携による代替生産などバックアップ体制の構築に向けた演習を実施。以来、重要業務の洗い出しや、
火災や爆発を想定した演習を毎年行ってきた。

2010年4月には、BS25999-2取得に向けた取り組みを開始し、半年後の11月には、フラットパネルディスプレイ製造用フォトレジストなど、同社の基幹事業である製造部門でBS25999の認証を海外のグループ拠点に先駆けて取得した。

認証取得の経緯について若松氏は「自社だけでなく海外のグループ拠点やサプライヤーと連携して事業継続性を高めるためには、自社独自のBCPとは別に、体系化されたフレームワークやベストプラクティスを知ることが必要だと思いました」と振り返る。BS25999-2を取得したことで各担当の役割が明確化し、日常的にBCMS要員が全員そろわなくても、その場にいるメンバーだけでIMPやBCPを発動できる体制になったという。

■品目リストをABC分析
同社の事業継続体制の特長の1つが、仕入れや出荷製品のABC分析だ。重要度別に同社の品目リストを、
A=供給を絶対に止めてはいけないもの、
B=可能な限り継続するもの、
C=いざとなったら止めるもの、
の3つに分類し、それぞれのカテゴリー別に対策を検討。Aカテゴリーの品目については、事故や災害に備えて普段から1つの製品を2カ国で製造したり、他国でも同じ製造方法で製品が作れるよう製造装置を配置しバックアップ体制を構築する。例えば、日本で事故や災害により事業が中断した場合、台湾や韓国、アメリカの3国がそれぞれ日本で作られて
いる主要製品を分散して製造できる体制が整えられているという。

また、同社では外部に製造委託している製品や原料の供給不安のリスク対策に重点を置き、2008年から重要なサプライヤーに対してBCMの成熟度を調査するなどのアセスメントを実施している。例えば、原料のサプライヤーに対して脆弱性評価をし、防災対策、事業継続対策、安全在庫確保、分散保管などが行われているか、現状把握と改善推進を行う。

■BCP訓練
海外サイトと同時進行
同社では、定期的に2、3カ月に1度、製造部門だけでなく営業部門や調達部門などから選ばれたBCM実行委員でミーティングを行っているほか、年1回のBCP訓練と被災状況を迅速かつ的確に把握・対応することを目的としたIMP(初動対応)訓練を年2回行っている。

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