防災対策の補助事業が認可

大手不動産業の三菱地所レジデンスはこのほど、東京都品川区の荏原町駅前地区の約1000㎡について、低層の既存建築物を防災性の高い高層のマンションと店舗からなる複合施設に建て替える事業認可が都から得られたと発表した。

荏原町駅前地区の約552.5haは、低層木造住宅の密集地域で建物の延焼と避難上の心配があるため、都から、耐火性の高い建築物への建て替えなどを促進する「防災街区整備事業」のエリアに指定されていた。当該区にある危険建築物は、除却勧告が可能になったり、建替計画に対し、行政がお墨付きを与え、共同住宅の建て替えに費用補助が受けられたりする。根拠となるのは、「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」で、防災街区整備事業は2003年の法改正時に創設されたもの。

都内では64地区約3770haが地区認定され、荏原町駅前を含めた荏原地区は最大規模で、昭和20年~30年代に建てられた小規模な木造2階建ての店舗併用住宅の密集地域が広がる。今回の認可は全国7番目の事例で、同地区では先駆けとなる。

複合ビルは18階建て地下1階建て。1~2階が店舗で上階部がマンション。8戸は既存用地のオーナー充て。47戸が分譲用。11月に解体工事に着手し、2014年3月に本体着工、2016年3月の竣工を予定している。