香川大学危機管理研究センターが公開訓練を実施

香川大学危機管理研究センターは、災害時の状況を再現できる3次元バーチャルリアリティ(3D-VR)を利用した、災害対応の公開訓練を実施した。

写真を拡大3D-VR(3次元バーチャルリアリティ)を活用した災害状況の再現・対応能力訓練システム(写真:香川大学危機管理研究センター)

同施設では、東日本大震災をうけ、未曽有の災害の後にも地域社会を継続させるために、災害発生時の適切な判断能力と、意思決定・行動ができる実践力をもった人材を育成することを目的としている。今回の3D-VRを用いた訓練もその一環。

3D-VRの訓練システムでは、従来のものより緊迫感のある災害時の状況を再現することが可能で、さらに想定外の状況を体験させるために、状況は様々に変化させることができる。また体験者によってシナリオを選択することができ、映像を見ながら状況を判断することも可能だ。今回の訓練では香川県教育委員会の職員が参加者であったことから、児童を避難場所である校庭まで避難誘導させるシナリオが使用された。システムには参加者の動きを記録するカメラやセンサーが設置されており、訓練実施後には訓練者の対応を振り返ることもできる。

同施設はこのシステムの対象者を行政、企業、病院や学校など地域で防災・危機管理に従事している者、香川大学で開講している防災士養成講座等の受講生を対象としている。今後は訓練者からの意見を取り入れ、訓練シナリオの多様化を図るとともに、訓練者の一層の災害時対応能力向上に取り組んでいく予定。

写真を拡大公開訓練の様子