リスク対策.com Vol.55
 

■特集1

熊本地震の検証
6人の専門家に聞く“教訓をどう生かす!?”


再び「想定外」の災害となった熊本地震。観測史上初めて立て続けに震度7を記録し、余震もこれまでの直下型地震の数を大幅に上回った。しかし、想定外として終わらせてしまってはいけない。全国どこでもこうした地震は起きうる。
今回の震災では、行政面においては物資の支援や被災者のケアに多くの課題が残った。
企業活動においても、サプライチェーンの途絶が東日本大震災以来、再び大きくクローズアップされた。今回の震災から学ぶべきことは何か?6人の専門家に教訓を語っていただくとともに、企業へのアンケート調査から企業が直面した課題を探った。
アンケートでは、熊本地震の対応において、課題が生じたことや苦労した点を自由記述してもらったところ、長引く余震で復旧作業が難航したことや、安否確認 システムが何度も作動して安否把握に時間がかかったこと、取引先の被災状況の確認に時間がかかったこと、支援要員を送る・受け入れるにあたり宿泊地や交通 手段の確保に苦労したことなど、多くの回答を得た。

◆「不測の備え」と「不断の備え」
 兵庫県立大学防災教育研究センター長 室﨑益輝氏
◆前震・本震・余震型の地震
 産業技術総合研究所活断層・火山研究部門招聘研究員 石川有三氏
◆被災自治体の支援制度が必要
 跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授 鍵屋 一氏
◆戦略的な被災企業の支援へ
 名古屋工業大学大学院教授 渡辺研司氏
◆支援物資供給上の課題
 日本大学危機管理学部教授 吉富 望氏
◆住まいの復興に必要な知識
 長岡技術科学大学大学院生物機能工学専攻准教授 木村悟隆氏
◆熊本地震 企業アンケート
 製品・サービスの提供などに影響
◆熊本地震の対応における課題や苦労した点
 自由回答より


■巻頭インタビュー

東京大学地震研究所 地震予知研究センター長・教授 平田 直氏
0.9%でも発生確率は高い


熊本地震は、地震予知の難しさと、日本全国どこにいても地震に遭遇する可能性があることを改めて国民に知らしめた。それでは、政府の地震調査研究推進本部 (地震本部)が発表した全国地震動予測地図はどこまで信用できるのか、どのように活用して備えていけばいいのか? 東京大学地震研究所 地震予知研究センター長・教授の平田直氏に聞いた。
 

■特集2

サイバー攻撃を見据えたIT-BCP
IT-BCPの発展と課題


事業を継続する上で、今や欠かすことができない情報システム。その主要なシステムを脅かすリスクに、近年、高度化・複雑化するサイバー攻撃が浮上してき た。2015年に日本年金機構への攻撃で大量な個人情報が流出したことはまだ記憶に新しい。海外では、情報システムに支障を来すどころか、テレビ局が攻撃 されテレビ放送そのものが中断したり、電力会社が攻撃され大規模な停電が発生するといった事件も起きている。一方、国内組織のBCPは、自然災害を対象に したものが多く、サイバー攻撃などについては対象としてない場合が多い。組織はいかにBCPを見直していけばいいのか。

◆年金機構の情報漏えい事案から学ぶ( 東京電機大学教授 佐々木良一氏)
◆止める判断が求められる( 名古屋工業大学大学院 渡辺研司氏)
◆サイバー攻撃の正体( サイバーディフェンス研究所上級分析官 名和利男氏)
◆ITから経営課題へ( 日本マイクロソフト株式会社チーフ・テクノロジー・オフィサー 榊原 彰氏)
◆リスクマネジメントとITセキュリティ(ヤフー株式会社リスクマネジメント室 高 元伸氏)
◆IT-BCP実態アンケート
◆セキュリティとレジリエンシーの融合


■Topics
◆01 BCPが絵に描いた餅になっていないか!?
◆02 新入生代表女子学生の夢は「国際難民問題の解決」

■Focus
◆廃棄物リスクが会社を危機に陥れる
◆震災の経験を語り継ぐ新しいツーリング事業

■New Products
◆01 緊急笛と一体型の歩数計
◆02 折りたたみ式防災ボート
◆03 防災・救命シェルター
◆04 訓練シミュレーション
◆05 自動開錠するスペアキー保管ボックス
◆06 屋内外で使用可能な独立型ロボット
◆07 電球ソケットに挿すだけの監視カメラ
◆08 スマホで確認する防災可視化アプリ

■シリーズ
◆直言居士
◆従業員の命を守る「職場の医学」 鶴和幹浩
◆レジリエンスに関する世界の調査研究 田代邦幸
◆業種別BCPのあり方 小山和博

発行日:2016年5月25日