北海道は、地震により建物が使えなくなった厚真、安平両町の特別養護老人ホームなどに入所していた被災者を受け入れる仮設住宅を両町に1カ所ずつ建設している。全員が震災前と同じ環境で入居できる施設を想定。道によると、介護度の高い高齢者らを集団で受け入れる福祉仮設住宅の建設は全国初で、年内から順次開設する。
 建物が使えなくなったのは、厚真町の特養「豊厚園」(入所者60人)と障害者施設「厚真リハビリセンター」(同48人)、安平町の特養「追分陽光苑」(同36人)の計3施設。入所者は、現在いずれも道内各地の福祉施設などに避難している。
 道が建設している福祉仮設住宅は、浴室やバリアフリー化など特養の機能を有した施設。複数の住居棟と浴室や台所、居間などを備えた集会所棟を配置する。車いす利用者やストレッチャーなどがスムーズに移動できるよう、住居棟と集会所棟を渡り廊下で結ぶ。
 住居棟には間仕切りを設け、4人や2人部屋などを配置。厚真町には住居棟計5棟と集会所棟の合わせて延べ床面積約3500平方メートル、安平町には住居棟3棟と集会所棟合わせて、同約1500平方メートルの施設を建設中だ。
 追分陽光苑を運営する社会福祉法人「追分あけぼの会」の上野喜博理事は「高齢者が変わった環境で生活するのは大きなストレスとなっている。地震前の生活をいち早く送れるよう早く入居できれば」と期待を込める。
 道は11月補正予算に整備費24億円を計上。大規模施設は、災害救助法で定める応急仮設住宅の対象外となっているため、国に対し、建設費などの一部負担を要請している。道保健福祉部の担当者は「今後、大規模災害が起きた際の参考になる施設を建設したい」としている。(了)

(ニュース提供元:時事通信社)