東京電力福島第1原発事故をめぐり、強制起訴された東電の旧経営陣3人に26日、禁錮5年が求刑された。「軽いのでは」「謝罪の言葉を」。事故の影響が今も続く福島県や宮城県では、改めて旧経営陣への怒りの声が聞かれた。
 「素直に責任を認めてほしい」。避難指示区域となった福島県浪江町から避難し、福島市内の復興公営住宅で暮らす無職平子直美さん(49)は、時折声を震わせながら話した。「無罪でも構わないが、本人の口から謝罪の言葉が聞きたい」と訴える。
 昨年8月に浪江町に戻り、復興公営住宅で暮らす無職熊川勝さん(81)は「対策を怠ったのは誰なのか。責任を明らかにしてほしい」と憤る。津波で妻を亡くしたが、原発事故による避難指示の影響で立ち入れず、すぐには遺骨との対面がかなわなかった。町の遺族会の役員を務めるが、毎年の慰霊祭に東電の幹部が来たことはないという。
 今年5月、基準値を超えるセシウムが検出され、わらびに出荷制限がかかった宮城県加美町。農業の女性(64)は「みんな生活がかかっているのに腹立たしい」と怒りをあらわに。禁錮5年の求刑には「軽いと思う。でも仕方ないのかな」とあきらめたように笑った。別の農業の女性(62)は「津波を想定してもう少し考えてほしかった」と納得がいかない様子だった。(了)

(ニュース提供元:時事通信社)