【パリ時事】大火災に見舞われたフランスのパリ中心部にある観光名所、ノートルダム大聖堂の再建のため、大富豪らから多額の寄付金の申し出が相次いでいることに対し、マクロン大統領の政策に反対し昨年11月からデモを続けている抗議運動参加者らは「不公平だ」と不満を募らせている。
 抗議運動の中心となっている女性は17日、「社会的な惨状には何もしないのに、わずか一晩で膨大な金を拠出できることを見せつけた」と高額な寄付を批判。インターネット交流サイト(SNS)上では「人間より石が優先されるのか」などと反発する投稿が相次いだ。
 有力紙フィガロは、20日に予定されているデモについて「怒りを募らせたデモ隊が結集する可能性がある」と指摘。再び破壊行動が起きる恐れがあると報じた。 
 大聖堂再建へ向けて政府は、国民から幅広く寄付を募るため税控除特例措置を導入。フィリップ首相によると、寄付金が1000ユーロ(約13万円)までの場合はその75%、それを超えると現行通り66%の額が控除される。
 批判の高まりを受け、高額な寄付を表明していた仏高級ブランドLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の大株主アルノー家や、高級ブランドのグッチなどを抱える仏ケリングのピノー会長兼最高経営責任者(CEO)は、税金に関する優遇措置を辞退すると明らかにした。(了)

〔写真説明〕ノートルダム大聖堂の前を行進するデモ隊=1月5日、パリ(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)