【パリ時事】フランスのパリ中心部にある観光名所のノートルダム大聖堂が大規模な火災に見舞われてから、15日で1カ月。マクロン仏大統領は2024年開催のパリ五輪に間に合うよう、5年以内の再建を表明した。与党「共和国前進」が過半数を占める国民議会(下院)は、早期再建に向けて寄付金の税控除などを定めた法案を可決したが、世論調査では国民の7割以上が法案に反対。野党は「マクロン氏が再建を自分の業績にしようとしている」と批判を強めている。
 法案には、法律で定められた文化財の修復手続きの簡素化や、専門機関の新設などが盛り込まれた。これに対し、野党からは「ルールを逸脱する異例の法案だ」と非難が殺到。リーステール文化相は「一部手続きを緩和するだけだ」と弁明したが、仏紙リベラシオンは「具体性に欠ける」と指摘した。
 焼け落ちた尖塔(せんとう)のデザインにも注目が集まる。マクロン氏は「われわれはより美しい大聖堂を造る」と表明し、政府はデザインを公募すると発表。火災時の炎をかたどったオブジェや全面がステンドグラスの塔など、世界中の建築家から奇抜な案が続々と出されている。
 ただ、世論調査では国民の過半数がデザインの変更に反対。4月末には1100人以上の建築家らがマクロン氏宛ての連名公開書簡で「次世代の人々のために時間をかけた修復期間を設定してほしい」と呼び掛け、性急な再建計画を戒めた。(了)

(ニュース提供元:時事通信社)