【カイロ時事】日本を含むタンカー2隻への13日の攻撃を受け、中東の要衝ホルムズ海峡やその近海で、緊迫度が一層増している。米国は攻撃が「イランの責任」と断定するが、イランは関与を認めておらず、真相の徹底究明は難航必至だ。近隣のアラブ諸国はイランを念頭に非難を強めており、中東の不安定化と衝突のリスクはぬぐえない。
 イランとアラビア半島に挟まれ、ペルシャ湾の入り口にあるホルムズ海峡は、世界の原油の3割超が通過する海上輸送の大動脈だ。イランは敵視する米国との関係が悪化するたびに海峡の封鎖を警告。「航行の自由」が損なわれれば原油の大半を中東に頼る日本など世界経済への影響は甚大で、イランの強硬対応は潜在的な脅威となってきた。
 ホルムズ海峡ではこれまでも、船舶を狙った攻撃が発生してきた。2010年には海峡のオマーン沖で商船三井の原油タンカー「M・STAR」が損傷。爆発物を積んだ船舶によるテロ攻撃とされる。
 イラン・イラク戦争(1980~88年)の際は、航行するタンカーに対する無差別攻撃とその報復を両国が繰り返し、約400隻の船舶が被弾。「タンカー戦争」と呼ばれた。
 今回のタンカー攻撃に対し、アラブ連盟のアブルゲイト事務局長は、イランへの直接の名指しは避けつつも、「地域の幾つかの当事者が戦火をあおっている」と批判。イランと敵対するサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相も「このようなテロ攻撃を非難し、港や領海を守るため必要な全ての措置を講じる」と強調した。エジプトやバーレーンなども非難声明を出した。(了)

(ニュース提供元:時事通信社)