アウトドア流防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
家庭に消火器を備えるのは普通の人にはハードルが高い!?
住宅が密集している東京都では、地震ごとに焼失の被害想定がシミュレーションされています。
詳しくは下記のリンクから見ることができます。
「首都直下地震による東京の被害想定報告書」(火災による焼失棟数分布)
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/000/422/shiryo7.pdf
となれば、「みなさん消火器は備えてますね!」
とお聞きすると、シーン・・・・となることが多いです。
職場ではちゃんと準備しているというのに、台所火災の心配のある自宅のほうが無防備なのかもしれません。
買わない理由をお聞きすると、これまた「シーン」。
でも、これ、防災意識がないから・・ではないことがわかりました。
わかっているけど、なぜか出来ない。
そんな時、防災意識の低さが問題にされがちですが、こどもの時、こんな経験ありませんでしたか?
「わからないことがあったら質問して」と言われても、わからない事がわからないから質問出来なかった事って。
消火器購入に二の足を踏んでしまう理由、それは、防災意識が低いからではありませんでした。処分が大変ということだったのです。処分しやすい商品が存在することや、処分の仕方をお知らせしたら、初めて、「それなら備えたい」「そこでつまずいていたんだ」と気づいて備える方が増えました♪
古い消火器の使用では、死者も出ています。
平成13年には北海道と愛知で、20年以上経過した消火器を使用し、底部爆発により、顔面直撃、死亡という悲しい事故が起こっています。消火訓練中の死亡事故があった年もありました。
http://www.bo-sai.co.jp/bakuhatujirei.htm
マンションによっては、定期的に点検交換という処分対策をとっているところもあります。でも、多くは自分で期限が過ぎていないかチェックしなければいけません。
ついつい忘れてということも多いので、期限チェックは、ハードルが高いです。
処分方法についても、回収はしてもらえるけど、「費用は取扱い店にお問い合わせください」というものも多くて、さらにさらに高くなるハードル。おまけにこんな注意喚起まで・・。
東京消防庁ホームページ「古くなった消火器は破裂する危険があります!」
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/topics/201308/f_ext/
「倒さないで」という注意書きのものもあり、こどもが倒してしまうおそれがあると、ますます購入をためらうということに。
どうでしょうか?意識が低いのでは?といくら火災の危険を啓蒙しても、実践してもらえなかった理由を理解していただけたのではないでしょうか?
エアゾールタイプは、上記の消火器回収では回収してもらえません。古紙や布などに薬剤の残りを噴射して、燃えるゴミへ。スプレー缶は、中を空にして不燃ゴミへという手順になります。