台風19号による大雨の影響で、東北や関東などの医療機関にも深刻な被害が出た。医師や看護師らでつくる災害派遣医療チーム(DMAT)が各地で活動を展開。慣れない避難所生活で体調を崩した住民らのサポートに当たっている。
 厚生労働省によると、福島県や栃木県などの医療機関29カ所が浸水し、うち7カ所は18日午後1時現在も解消していない。断水は一時39カ所に上り、復旧が遅れる地域では給水車などによる支援が続く。DMATは青森県のチームが宮城県に派遣されるなど各地で活動している。
 宮城県丸森町では医療機関4カ所が被災し、うち3カ所で通常の診療ができなくなった。役場近くにある町内最大の丸森病院は床上浸水し、17日までに入院患者を他病院に移送。外来患者は1日当たり約200人に上るが、受け入れを中止し、再開のめどは立っていない。
 医療機関の復旧に時間がかかることから、丸森町は18日、役場の一室に医療救護所を開設した。DMATの医師と看護師が常駐し、被災者らを無料で診療している。
 高血圧などの慢性疾患や風邪などに対し、最大3日間分の薬を処方する。診察後は外にあるキャンピングカー型の薬局で薬を受け取る仕組みだ。
 下痢の症状で訪れた阿部国基さん(79)は、自宅に土砂が流れ込み、避難所で過ごしている。診察を受けると、「今までおなかを壊したことはなく不安だったが、診てもらって安心した」とほっとした表情を見せた。診療チームの植田信策医師は「医療体制が元に戻るまでのつなぎとして役割を担いたい」と話す。
 長野市では、14日から保健師や管理栄養士らによる医療チームが浸水地区や避難所で健康相談に当たっている。市保健所の担当者によると、暖房による乾燥などで感染症が心配されるほか、避難の長期化で精神的ストレスを訴える被災者も出始めており、メンタル面での支援が課題だという。
 自宅の片付けに追われ、持病の治療が後回しになっている高齢者も多い。担当者は「血圧の測定や薬を持っているかなどの声掛けは欠かせない」と話し、体調管理に気を配っている。 
〔写真説明〕宮城県丸森町役場内の医療救護所で被災者を診察する医師ら=18日午後、同町

(ニュース提供元:時事通信社)