台風19号による浸水被害が各地で発生してから1カ月。住宅の被害認定調査が一区切りし、被害の程度を表す「罹災(りさい)証明書」の交付が始まっている。ただ現行の被災者生活再建支援制度では対象が限られ、被災者の金銭的な負担は重い。国の制度に加え、独自の支援を打ち出す自治体もあるが、内閣府防災担当幹部は「地域によって濃淡があるのが現状だ」と話す。
 被災者生活再建支援制度は、一定の被害を受けた地域を指定し、「全壊」や損害割合40%以上50%未満の「大規模半壊」と判定された世帯に対し、最大300万円を支給する。費用は国と、都道府県がつくる基金から2分の1ずつ拠出する。
 総務省消防庁の11日時点の集計では、台風19号などの大雨被害で全壊と判定された住宅は1939棟に対し、大規模半壊や損害割合20%以上40%未満の「半壊」は9767棟と多い。
 全国知事会などは国に対し、半壊世帯への支援を求めているが、内閣府は「半壊まで対象にすると相当数の住宅が増える」(担当者)として、当面は現行基準を維持する方針。一方で同府は、被害認定調査の際は台風15号の被害も含めるなど柔軟な運用を自治体に求めた。
 被災者負担の軽減に向け、自治体では半壊世帯に独自で支援する動きが広まっている。茨城県は2015年の関東・東北豪雨後、半壊世帯への最大25万円の支援を制度化。長野県は台風19号による住宅の半壊世帯に最大50万円を支援することを決めた。
 一方で独自の支援制度がない自治体もあり、被災者生活再建支援法が適用されなければ、被災者が十分な援助を受けられない恐れがある。先の同府担当者は「生活再建支援制度は国と自治体の相互拠出という性質を踏まえ、自治体も協力してほしい」と話す。 

(ニュース提供元:時事通信社)