国土交通省は、大雨で排水処理できない雨水が側溝などからあふれて街が浸水する「内水氾濫」による被害を防ぐため、雨水の貯留、排水設備を全国で新たに整備する方針を固めた。既存施設の補修や改修も支援する考え。2019年度補正予算案に関連経費を計上する。
 具体的には、道路などに水があふれないように一時的に雨水をためておく「雨水貯留管」や、たまった雨水をくみ上げて川に流すポンプ場などの整備を想定。既存施設に関しても、防水扉の設置など耐水化を促進し、大雨の時にも機能を維持できるようにする。近く、これらの施設を整備する具体的な場所の選定に入る。
 台風19号では、河川の水が堤防を越える氾濫とともに、堤防から水があふれなくても下水管などの排水能力を超えたり、堤防で守られた内側の土地にある小規模河川があふれたりして街が浸水する内水氾濫が発生した。
 国交省の集計によると、台風19号では、内水氾濫による浸水被害が15都県144市区町村で発生(10月末現在)。台風で床上、床下浸水した住宅約7万1000棟のうち、内水氾濫が原因となったのは約1万2000棟だった。ポンプ場も浸水で機能が一時停止するなどの被害が出た。
 内水氾濫による浸水は、昨年の西日本豪雨や17年の台風21号でも発生している。今後も各地で発生する恐れがあることから、国交省は内水氾濫の可能性が高い中小河川の周辺や低地を中心に、対策を急ぐ方針だ。
 内水氾濫による浸水被害が発生したのは、岩手、宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、長野、静岡、三重の15都県。 

(ニュース提供元:時事通信社)