阪神大震災の教訓を伝える「人と防災未来センター」(神戸市)の河田恵昭センター長は「日本の災害対応は後手後手で不十分」と指摘し、大規模災害発生時の対応や防災対策の総合的な司令塔となる「防災省」の創設を提言する。
 国内では南海トラフ地震の発生が予測されるなど、大規模災害への備えは待ったなし。だが、現行の災害対策基本法について、河田さんは「被害が発生しない限り対策が取れない上、原形復旧する考え方。地球温暖化で風水害の威力が大きくなっているのに、また被害を受けることになる」と問題点を指摘。「改良復旧する考え方に改めないといけない」と早期の抜本改正を求める。
 近年、県をまたぐ広域災害が相次ぎ、河田さんは「独自の予算を持ち、連携調整役を担う『防災省』の設立が不可欠」と力を込める。「日本は災害対応がバラバラで縦割り。小さな組織でもいい。知恵の塊が必要」と語り、国土交通省や厚生労働省などとの連絡調整を担う役割を期待する。
 「大規模災害は発生してから被害を小さくすることはできない。起こる前の『日常防災』が大事で、これをプロモートするのも防災省の役割」と考える。関東大震災から100年となる2023年を目指し、議員立法での防災省の創設を働き掛ける意向を示す。
 災害の被害軽減には予防力の強化が求められ、「将来の被害を予測して有効な対策を打つことが基本。先制攻撃をかけないと(災害に)やられてしまう」と警鐘を鳴らしている。 
〔写真説明〕インタビューに応じる「人と防災未来センター」の河田恵昭センター長=2019年12月18日、神戸市中央区

(ニュース提供元:時事通信社)