三菱電機がサイバー攻撃を受け、防衛関連や電力・鉄道などの社会インフラに関する機密性の高い情報が流出する恐れがあったことが明らかになった。情報流出で電力や交通機関がまひすれば、国全体が大混乱に陥りかねない。東京五輪・パラリンピックを控える日本は攻撃の標的となるリスクが高まっており、防衛やインフラ関連企業は対応の強化が急務となる。
 三菱電機への攻撃は、ウイルス対策システムの脆弱(ぜいじゃく)性を防ぐ更新ソフトが配布される前に侵入し、何段階もの防御網をすり抜けた高度な手口だった。
 ただ、防衛関連や社会インフラに関する重要情報の流出は、幸いにも防げたという。大手電力会社の業界団体である電気事業連合会は「ほぼ全社が三菱電機と取引があるが、流出は現時点で確認されていない」と説明する。
 情報セキュリティー大手トレンドマイクロは、最近のサイバー攻撃の傾向として「標的を絞り、時間をかけて調べてセキュリティーの穴を突いてくる」と指摘する。世界的に防衛関連の機密情報を標的とした中国系ハッカー集団が暗躍しているとされ、日本企業の間でも「攻撃の脅威に日々さらされており、考え得る各種対策を講じている」(三菱重工業)という。
 特に大規模なスポーツ大会はハッカーにとって世界中の注目を集める格好の機会。2012年のロンドン五輪では電力供給システムを狙ったサイバー攻撃が行われた。公安調査庁は「(サイバー攻撃が)東京大会の妨害に用いられた場合、大会運営にとどまらず、国民生活に深刻な影響が出る」とみている。 

(ニュース提供元:時事通信社)