政府は21日、統合イノベーション戦略推進会議を首相官邸で開催し、温室効果ガス排出量の抜本的な削減に向けた新戦略「革新的環境イノベーション戦略」を決定した。環境・エネルギー技術に関する研究拠点を新設。今後10年間に官民合わせて30兆円の研究開発投資を行い、2050年までに世界全体の二酸化炭素(CO2)排出量を上回る削減を可能とする技術確立を目指す。
 研究拠点は「ゼロエミッション国際共同研究センター」。昨年ノーベル化学賞を受賞した吉野彰・旭化成名誉フェローをセンター長に迎え、今月末に設立する。
 実現を目指す技術として、製造時にCO2を吸収する素材を使ったコンクリートの実用化や、ビル壁面、自動車に設置できる太陽光発電の実現などを想定。技術確立により、50年までに年間600億トンのCO2削減を見込む。
 一方、戦略推進会議では、今後20年を見据えた量子技術に関する新戦略も策定した。スーパーコンピューターの性能をはるかに上回る「量子コンピューター」など四つの重点領域を設定し、研究開発投資を拡充。国内外から研究者や企業を集める研究開発拠点も設ける。
 このほか、自然災害、サイバー攻撃などの脅威に対応する新たな方針も決定。科学技術の専門家による会議などで具体的な技術確立や人材育成などを検討する。各府省のIT施策の連携に向け、政府の作業部会を設置することも決めた。
 会議では、科学技術基本法の名称を科学技術・イノベーション基本法に改めるなどした改正案を今国会に提出することも確認した。 

(ニュース提供元:時事通信社)