中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、日本政府や現地に進出した日系企業が警戒を強めている。流行が長期化すれば、自動車や電子機器などのサプライチェーン(部品供給網)に打撃を与える公算が大きい。梶山弘志経済産業相は24日の記者会見で「経済への影響について高い関心を持って注視していく」と語った。
 武漢市は、習近平国家主席主導の産業革新政策「中国製造2025」のモデル都市で、半導体やハイテク部品などの先端製造拠点が集積。アジア広域の部品供給網の中核となっている。日本企業は約160社が進出しており、ホンダや日産自動車、デンソー、ダイキン工業といったメーカーに加え、三井物産やイオン、三菱UFJ銀行など商社、流通、金融も拠点を構えている。
 中国は今月末まで春節(旧正月)連休が続くため、武漢市の多くの製造拠点はもともと操業を中止する計画を立てていた。経産省は「春節の間はサプライチェーンへの打撃を避けられる」(幹部)と想定している。ただ、新型肺炎の感染は武漢市から中国広域に広がり、沈静化の兆しは見えていない。
 中国政府は感染拡大を抑えるため、武漢市を事実上封鎖した。流行が続けばメーカー各社は長期休業を迫られ、部品供給網に影響が及ぶ。多くの進出企業は「春節後の対応は検討している段階」(川崎重工業)などと説明しつつ、動向を警戒している。 

(ニュース提供元:時事通信社)