自動車、電機など中国に生産拠点を置く日本メーカーは、春節(旧正月)休暇の延長で停止していた工場を来週以降に再開することを目指している。しかし、新型肺炎の拡大は終息する兆しがなく、具体的な稼働時期は見えない。中国の産業活動が停滞すれば、サプライチェーン(部品供給網)の寸断で現地の工場が長期の稼働停止を余儀なくされ、日本などにも影響が波及する懸念がくすぶっている。
 「部品調達や物流の状況を見て稼働を判断している。(再開時期は)現在精査中だ」。トヨタ自動車の白柳正義執行役員は6日の決算記者会見で、中国の状況を慎重に見極める姿勢を示した。
 同社は中国に四つある完成車工場を2月初めに再開する予定だったが、10日以降に延期した。昨年の同国での販売台数は162万台と日本を超え、停止が長引けば打撃は大きい。
 ホンダと日産自動車は、新型肺炎の震源地とされる湖北省に工場がある。ホンダは同省の工場を14日以降に操業再開の予定だったが、先送りする方向で検討している。
 完成車工場の準備が整っても、部品調達が滞れば生産はできない。約3万の部品の一つでも欠けると、自動車は完成しないためだ。中国から海外に輸出される部品も多く、供給網は国境を越えて複雑に広がっている。
 韓国の現代自動車は、中国から部品を調達できなくなり、自国内の工場停止に追い込まれた。トヨタは一定の部品在庫を確保済みで、中国以外の工場は「足元の稼働は継続できる」(白柳氏)という。ただ、「一つひとつ(部品の)在庫や代替生産の必要性を精査している」(同氏)として、操業に万全を期す構えだ。
 電機業界でも部品供給網の乱れが懸念されており、ソニーの十時裕樹専務は「10日以降に(工場が)稼働し、現場に人が戻ってから状況を確認していく」と説明。パナソニックは工場停止が長期化するリスクもにらみ、電子部品について「代替生産の準備を進めていく」(梅田博和常務)としている。 
〔写真説明〕ホンダの中国合弁会社、東風ホンダの武漢工場の生産ライン=2017年6月、中国・武漢

(ニュース提供元:時事通信社)