東京電力福島第1原発事故で初期被ばくをしたことなどで精神的損害を受けたとして、福島県「中通り」地方の住民ら54人が東電を相手取り、計約9900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、福島地裁であった。遠藤東路裁判長は、このうち52人に計約1200万円を支払うよう東電に命じた。
 原告は福島市など避難指示区域外の6市町の住民ら。国を被告とせず、裁判の長期化を避けるため東電に和解を働き掛けた。地裁は2019年12月、双方に和解勧告を示したが、東電が拒否していた。原告側弁護士によると、全国の原発事故集団訴訟で和解勧告が示されたのは初めてだった。
 遠藤裁判長は、原告らが被ばくに対する恐怖や不安により避難を強いられるなど、平穏な日常生活を失ったと指摘。国が事故の「収束宣言」を出した2011年12月までの慰謝料として、1人当たり30万円が相当と認定し、一部の原告が裁判外紛争解決手続き(ADR)などで受け取った額を差し引いて賠償額を算定した。
 東電側は、国の中間指針に基づき賠償済みだとして、請求棄却を求めていた。 

(ニュース提供元:時事通信社)