東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法をめぐり、政府は6日、福島市内で漁業者や自治体などの地元関係者から意見聴取した。政府の小委員会が「現実的な選択肢」と位置付けた海洋や大気中への放出について、風評被害を懸念し、正確な情報発信や補償などの対応を求める声が上がった。
 処分方法決定に向けた政府の地元への意見聴取は初めてで、13日には福島市と福島県富岡町で聴取を行う。県外での実施も検討している。
 内堀雅雄知事は、農林水産・観光業で風評を拭い去れていないとした上で、「処理水について正確な情報発信に取り組み、慎重に対応を検討してほしい」と求めた。県内市町村の首長からは「風評被害への対策が不十分」「放出された場合は補償を」などの指摘が相次いだ。
 県漁業協同組合連合会の野崎哲会長は「生活再建が第一で、海洋放出には反対」と表明。旅館・ホテル業界の代表者は「放出は到底許容できないが、処分を先送りにすれば子孫に負の遺産を押し付けることになる」と苦しい胸の内を明かした。
 東電は、第1原発で保管できる処理水のタンクは限られており、2022年夏ごろに用地が満杯になるとの見通しを示している。松本洋平経済産業副大臣は会合終了後、「スケジュールありきではなく、丁寧に意見を聞いていく」と強調した。 

(ニュース提供元:時事通信社)