新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相が緊急事態宣言を出す方針を表明した。感染症の専門家は、宣言の対象地域から多くの人が避難すると、医療提供体制が不十分な地方に感染を広げかねないとして、慎重な行動を呼び掛けている。
 国立病院機構三重病院の谷口清州・臨床研究部長は「地方で感染が広がると、あっという間に医療提供体制が破綻する」と警鐘を鳴らす。対象地域から故郷に戻れば、高齢の親や祖父母に感染させるリスクも生じる。
 谷口部長は「地方に行ってはいけないと言うのは難しいが、移動する場合、14日間は人に接するのを避けて」と求める。政府専門家会議に参加する西浦博・北海道大教授は、対象地域でも外出を控えれば感染リスクを抑えられるとして、自宅中心に過ごすよう呼び掛けている。
 東京都の小池百合子知事が週末の外出自粛を要請した際は、多くの人がスーパーに集まり買いだめする姿が見られた。谷口部長は「店に密集すると対策の意味がなくなる」と注意を促し、政府は宣言後も物流が維持され、食品などの買い物も可能と説明すべきだと指摘した。 

(ニュース提供元:時事通信社)