東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法について、政府は13日、福島県富岡町で、原発事故で被災した県内沿岸部の9市町村から意見聴取した。政府の小委員会が「現実的な選択肢」と位置付けた海洋や大気中への放出をめぐり、立地自治体からは処分の遅れによる廃炉作業への影響を懸念する声が上がった。
 政府による地元関係者への聴取は2回目。双葉町の伊沢史朗町長は、処理水をためるタンクが2022年夏に満杯になることに触れ、「長期にわたる廃炉作業全体を見据えた対応を取ってほしい」と要望した。
 大熊町の吉田淳町長は「小委員会がまとめた風評被害対策は具体性に欠ける」と指摘。他の首長からも、処理水の安全性に関する情報発信や、農水産品の販売振興などの支援策について説明を求める声が相次いだ。
 会合では、新型コロナウイルスの影響で、処理水をめぐる国民の関心が高まっていないとの指摘も出た。東京都内からテレビ電話で参加した松本洋平経済産業副大臣は「いつまでも結論を先延ばしできない」と述べ、感染予防策を取りながら今後も意見聴取を行う意向を示した。 

(ニュース提供元:時事通信社)