【モスクワ時事】ロシアで新型コロナウイルスの感染者が急増している。3月末に約2300人だった感染者は19日までに4万2853人に増え、死者は361人に達した。中国でもロシアからの帰国者の感染が多数報告されており、ロシアの実態は公式発表より深刻な可能性がある。
 中国では今月、黒竜江省でロシアから陸路帰国した中国人の感染が相次いで確認され、その数は300人以上に上る。中国はロシアの現状に疑念を抱いているとみられ、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報英語版(電子版)は13日、「ロシアは感染者流入阻止に失敗した最新例で、他国への警告となり得る」と異例の批判を展開。ロシアのペスコフ大統領報道官は「新型ウイルスをめぐり国家同士が互いに批判しているが、適切ではない」と答えるのがやっとだった。
 感染拡大を阻止するため、ロシアは2月に中国人の入国を禁止するなどの対策を取り、プーチン大統領は3月には「状況はコントロールされている」と強調していた。ただ、感染が拡大していた欧州との往来は3月上旬まで行われており、この間に多数の感染者が入国した可能性がある。
 プーチン政権は求心力維持のため、4月にプーチン氏続投を可能にする憲法改正の全国投票、5月に各国首脳を招いた戦勝記念式典を計画していたが、感染拡大により延期を余儀なくされた。感染者が急増する中、政権の対策に不満が高まれば、プーチン氏に対する支持も揺らぐことになる。
 プーチン氏は17日、地方知事らとのテレビ会議で「(感染)拡大のリスクは非常に高い。ピークには達しておらず、感染者数は増えるだろう」と述べ、対策に万全を期すよう求めた。 
〔写真説明〕モスクワの病院に入る救急車=14日(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)