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リスク対策.comをご覧の皆さん、こんにちは! 元刑事の榎本澄雄です。

『元刑事も夢中になる防災訓練のゲーミフィケーション』へ、ようこそ。この連載では「モチベーションが上がりづらく、成果が見えづらい」防災訓練を「夢中になって参加し、行動が変化する」防災訓練へゲーム化するプロセスを解説します。

前回は、訓練前のヒアリングについてお話ししました。

【前回の振り返り】
□ ヒアリングとは、相手の「困りごと」を聞き出して、感情を理解すること
□ ヒアリングのメリットは、防災訓練や災害時の「協力者」を探し出せること
□ 簡単なヒアリングは、3人ぐらいにどんな防災訓練が望ましいか「生の声」を聞き出すこと
※詳しくは下記、第2回「あなたの「協力者」は誰ですか?」をご覧ください。
https://www.risktaisaku.com/articles/-/26782

それでは、今回も皆さんに質問させてください。

【最初の問い】
信頼の土台、ありますか?

さて、ようやくあなたは実際に防災訓練を開始しました。会場には参加者が続々と集まってきます。アイスブレイクもバッチリ。訓練前には協力者たちにヒアリングをして、期待値も調整できているはず。でも、何か違和感を感じています……。

あれ? 誰も話を聞いてない?

何と言うか、一体感がないのです。参加者の「心がここにない」状態とでも言えばよいでしょうか。

あなたの説明を聞いてるようで、誰も聞いてないような。リアクションが薄かったり、質問もなかったり……。

戦うか、逃げるか

リアクションが薄いときは、相手が恐怖を感じている可能性があります。あるいは、興味関心がないので、無視したいという場合もあるでしょう。

脊椎動物の脳には、脳幹と呼ばれる部位があります。「爬虫(はちゅう)類の脳」とも呼ばれ、「捕食」や「生殖活動」など最も原始的な本能を司っています。魚類、両生類、爬虫類では脳幹が脳の大部分を占めています。

私たち人間にも、脳の最も深い場所に脳幹があります。他の脊椎動物と同じように、「生と死」、「性と食」など本能に関わる行動をコントロールしています。脳幹は生存に関わる危険を敏感に察知します。恐怖を感じると、戦うか、逃げるか判断します。危険でない場合は、やり過ごす、無視するという選択肢もあります。

あなたが望まないセールスやクレームを受けた時は、「何か危険を感じるぞ? 戦うか、逃げるか、今すぐ判断するんだ!」とあなたの脳幹が指令を出します。また上司やクライアントから面倒な指示を受けたときは、「生死に関わらない情報なので、とりあえずやり過ごそう」と、あなたの脳幹が判断しているかもしれません。