2020/06/13
防災・危機管理ニュース
【北京時事】中国政府は13日、北京市で12日に6人の新型コロナウイルス感染者を確認したと発表した。北京市当局によると、6人のうち3人は豊台区にある中国本土最大規模の食料品市場「新発地」の従業員で、残る3人も同市場を訪れたという。
北京では11日に約2カ月ぶりとなる1人の新規感染者を確認後、12日に一気に6人増加し、感染拡大への警戒が高まっている。
新発地市場は13日に封鎖された。6人とは別に、同市場関係者を対象にPCR検査を実施した結果、517人のうち45人が陽性で、濃厚接触者1人も陽性反応が出た。全員無症状だが隔離された。市場周辺の居住区では人の出入りを制限する「閉鎖式管理」が始まり、周辺道路も通行止めとなった。
このほか東北部の遼寧省でも12日、新発地市場関係者と濃厚接触歴がある無症状感染者2人が報告された。同省大連市政府は13日、「不要の北京訪問を控える」よう通知した。
北京市政府によると、12日に感染が分かった6人のうち3人は市場で水産品などを販売し、1人は購入客。残る2人は食品検査会社の同僚で、中国メディアによると、同市場で検査業務に当たったとされる。
北京市疾病予防コントロールセンターの※星火(※マダレに龍)副主任は13日、記者会見し、新規感染者6人について「市場内で汚染された環境や感染者に接触し、伝染・発症した可能性がある」と指摘。発生源調査を進めていると述べた。
同市場では食品などのサンプル検査の結果、40件で陽性反応が出た。北京市衛生当局者は、このうち一部は輸入サーモンを扱うまな板からウイルスを検出したと確認。北京の日本料理店でサケ料理を取りやめるなど、影響が広がっている。
北京市政府は、15日以降に予定されていた小学1~3年生の登校再開の延期を12日に発表。市内の観光地の雍和宮や国家大劇院は13日、臨時閉園・閉館となった。
〔写真説明〕13日、新型コロナウイルスの集団感染が発生し封鎖された北京市の食料品市場「新発地」入り口前で、警備に当たる中国警察(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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