2020/07/17
防災・危機管理ニュース
全国的に新型コロナウイルスの感染者が再び増加していることを受け、企業が勤務体制の見直しなど感染防止策の強化に動いている。政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」から東京都発着の旅行や都民が除外されたことで、経済活動へのマイナスの影響も懸念される。
大和ハウス工業は感染者の増加を受け、東京などと他の道府県間の社員の行き来を原則禁止した。GMOインターネットやジャパンディスプレイは在宅勤務を原則とする勤務体制に戻した。伊藤忠商事は、来週以降、出社比率を全体の5割に抑える方針だ。
アサヒグループホールディングスは、社内懇親のための小規模な飲み会を首都圏1都3県で自粛しているが、大阪も対象に加えた。5月の緊急事態宣言解除後、ファミリーマートは全国にいる本部社員を原則出社させ、出張も解禁したが、「国や自治体から指針が何も出ていない状況では決められない」(広報)と困惑気味だ。
トラベルキャンペーンの「東京外し」への懸念も高まる。近鉄グループホールディングスは「都が対象外となり、効果が薄れるのは仕方ない」(同)と話した。
第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは東京外しの影響について、最大1.37兆円と期待された旅行市場の規模拡大効果が、1000億~2000億円減少すると試算。「消費者心理が悪化し、東京への出張や宴会、会食などへの悪影響が懸念される」と指摘した。
(ニュース提供元:時事通信社)
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