18日の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では新型コロナウイルス対策を協議し、政策総動員で景気を支えるとの従来の政策協調を確認した。ただ、主要各国の中には対応余力が十分とは言えない国もあり、長期化懸念が強まるコロナ禍に対し、説得力のある経済回復のシナリオを描き切れない。
 今回は途上国の医療体制や財政基盤を強化するため、債務の返済猶予について期限を2021年以降に延長する可能性を検討すると共同声明に盛り込み、一定の成果はあった。18日時点で猶予される20年中の債務支払額は推定53億ドル(約5600億円)に上る。
 一方、米国と欧州の対立が深まる巨大IT企業へのデジタル課税については、年末までに合意する方針の再確認にとどまった。日本の財務省幹部は「日程についての旗は降ろさずに済んだ」と胸をなで下ろす。もっとも、自国企業を狙い撃ちした課税と反発する米国と、巨大IT企業への規制を強化したい欧州との溝が埋まらず、足並みが乱れる恐れもあり、コロナ対策に限らずG20での議論に手詰まり感が強まっている。
 G20は、新型コロナ拡大の長期化も視野にさらなる財政出動なども容認する姿勢を打ち出し、各国とも切れ目のない支援策を模索する。
 しかし、日本の場合、20年度補正予算を2度にわたり編成し、財政支出は膨張。これ以上の大幅な支出は避けたいのが本音で、「できることはやり尽くした」(経済官庁幹部)とのため息も漏れる。リーマン・ショック後の中国のような世界経済回復のけん引役は見当たらず、危機打開に向けた議論は停滞する恐れがある。 

(ニュース提供元:時事通信社)