2020/07/22
防災・危機管理ニュース
政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」キャンペーンが22日始まった。新型コロナウイルスの感染者が相次ぐ東京都を発着する旅行を適用除外とすることが急きょ決定。予約のキャンセル料をめぐっても対応が直前に変わるなど二転三転する政府方針に事業者も旅行者も振り回された。感染動向次第では一段の見直しを迫られる可能性もあり、混乱と逆風下でのスタートとなる。
「安全で安心な、新たな旅行の在り方を目指す」。赤羽一嘉国土交通相は21日の記者会見でキャンペーンの狙いをこう語った。旅行・宿泊業者には感染対策を義務付け、旅行者にも配慮を求めた。観光産業の支援と感染防止の両立を狙う。
キャンペーンでは国内旅行代金の35%を割引で、15%を地域共通クーポンで補助する。22日の開始時点では割引のみ適用し、クーポンは9月以降にずれ込む。補助の上限は1日2万円(日帰りは1万円)で、何度でも利用できる。予算が1兆3500億円に上る巨大事業だ。
感染者が連日のように200人を超える東京は、感染拡大防止の観点から当面除外される。都内での宿泊や東京都民による旅行は補助を受けられないため、キャンペーン開始を見越して7月10~17日の間に申し込んだ予約はキャンセル料を政府が補償する。旅行会社などにキャンセル料を既に払っている顧客は返金してもらい、政府がその事業者の損害分を穴埋めする。
(ニュース提供元:時事通信社)
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