2020/07/22
防災・危機管理ニュース
政府は22日、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・安倍晋三首相)の会合を首相官邸で開き、8月1日以降に予定されていた大規模イベントの開催制限緩和をいったん凍結することを決めた。参加人数の上限を5000人とする現在の目安について、首相は「8月末まで維持しつつ、その間の感染状況を踏まえて判断する」と表明した。
緊急事態宣言の解除後、プロスポーツやコンサートなど大規模イベントに参加できる人数の制限は段階的に緩和されてきたが、新型コロナ感染の全国的な再拡大を受け足踏みを余儀なくされた。
首相は対策本部で、現在の感染状況について「十分に警戒すべきだが、4月の緊急事態宣言時とは大きく異なる」と述べ、引き続き感染対策と社会・経済活動の両立を目指す考えを強調。同時に高齢者らの感染防止強化策として、「感染リスクが高いと判断される場合、医療機関や高齢者施設などで出張方式の検査ができるよう検討を進める」と述べた。
これに先立ち、政府は有識者による新型コロナ感染症対策分科会(会長・尾身茂地域医療機能推進機構理事長)を開催。イベント参加人数の上限撤廃は「慎重に考えるべきだ」とする見解で一致した。
ただ、西村康稔経済再生担当相は記者会見で、8月末を待たずに制限を緩和する可能性について「感染状況に応じて判断したい」と述べ、前倒しもあり得るとの認識を示した。
西村氏はまた、現在は全面的な自粛を求めている大規模な祭りなどについて、8月以降も開催を控えるよう求めた。
一方、分科会は営業時間短縮や休業の要請など追加的な感染対策とともに、今後の爆発的な感染拡大を想定した対応などを早急に検討するよう政府に提言した。
〔写真説明〕新型コロナウイルス感染症対策本部で発言する安倍晋三首相(右から2人目)=22日午後、首相官邸
(ニュース提供元:時事通信社)

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