新型コロナウイルスの世界的な流行を受け、2021年夏に延期された東京五輪・パラリンピック。感染収束のめどが立たない中、コロナ下の大会運営は難題が山積する。大会成功を最重要課題に位置付ける東京都は政府、組織委員会と共に、年内にも選手や観客らの感染防止策を取りまとめる方針だ。
 「コロナ対策を優先しながら大会の準備を進めていきたい」。小池百合子知事は6日に組織委の森喜朗会長と会談した際、足元で広がる感染の抑え込みに全力を尽くす考えを示した。
 都幹部は来夏の状況について「世界での流行は収束していないだろう。ワクチンもあらゆる人に接種できるほど普及していないのではないか」と予測する。森氏は会談で、今秋に政府も交えた感染対策の会議体を設置すると表明。年内の対策づくりに向け、小池氏と協力する方針を確認した。
 「安全・安心な大会」にするため、海外の選手らへの水際対策強化は必須。選手や関係者に対する検査後の健康観察や、選手村で集団感染が起きた場合の対応、観客やスタッフの感染防止の徹底、大会関係者が患者となった場合の搬送や重症度に応じた受け入れ体制の整備など、都内の医療関係者も交えた幅広いシミュレーションが求められる。小池氏は「最大のポイントはコロナ対策。それに対する危機管理体制をしっかりつくる」と強調する。
 一方、大会を予定通り開催できるか不安は付きまとう。大会関係者は「東京を含め全国で感染が広がり続ける中、各国の選手は日本に来て競技ができると思えるだろうか」と疑問を呈する。
 都内では、感染者が7月に入り急増。1日の新規感染者数は23日に過去最多の366人を記録した。この関係者は「まずは感染を抑え込むことが重要だ」と述べ、世界に安全な都市をアピールしなければならないとの認識を示すが、先行きは極めて不透明だ。 
〔写真説明〕会談を前に、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(右)と握手の代わりに拳同士を合わせる東京都の小池百合子知事=6日、都庁
〔写真説明〕東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(左)と会談する東京都の小池百合子知事=6日、都庁

(ニュース提供元:時事通信社)