新型コロナウイルスの感染防止策として外出・移動制限や交通機関の運休、工場の操業停止などが各国で行われた結果、地震観測ではノイズとなる細かい揺れが3月から5月にかけ、世界的に見て平時の半分程度に低減したことが分かった。ベルギー王立天文台などの国際研究チームが世界268カ所に設置された地震計の観測データを解析し、25日までに米科学誌サイエンス電子版に発表した。
 地面の揺れは地震だけでなく、風や波、自動車、鉄道、工場などからも発生し、「雑微動」と呼ばれる。人間社会による雑微動は昼より夜、平日より週末に低くなり、年間では年末年始に低減することが知られていたが、新型コロナ対策で観測史上最長、最大の低減となった。
 新型コロナ対策による雑微動の低減が見られたのは268カ所中、185カ所の地震計。低減は1月後半に中国で観測され始め、その後世界に拡大。欧州や米国西海岸など、人口が多く、強い封鎖措置を取った都市部ほど、低減幅が大きかった。研究チームは、逆に低減幅から封鎖措置の実効性が分かると指摘している。
 一方、都市部で大地震が発生するリスクを評価し、防災に役立てるには、普段から多数起きている小さな地震を解析し、地下の断層などの状況を探る必要がある。雑微動はこの小さな地震を観測する妨げとなっており、低減時は小さな地震を精度良く観測できる例があったという。 

(ニュース提供元:時事通信社)