三菱自動車は27日発表した中期経営計画で、子会社パジェロ製造(岐阜県坂祝町)の閉鎖を打ち出した。新型コロナウイルスの感染拡大で深刻化した販売の落ち込みにより、国内工場の閉鎖にまで追い込まれた。固定費の削減で業績回復を図りたい考えだが、立て直しへの道筋は見通せないまま、雇用など地方経済に与える影響に懸念が広がる。
 パジェロ製造は、かつて一世を風靡(ふうび)したスポーツ用多目的車(SUV)「パジェロ」の基幹工場。三菱自は工場閉鎖など構造改革に伴う人員削減規模を明らかにしていないが、人件費などで15%の削減を目指している。
 三菱自の加藤隆雄最高経営責任者(CEO)は「地元に迷惑を掛けない形で進めたい」と強調。岐阜県内の雇用に打撃を与えないよう工場閉鎖を進める姿勢を示した。
 もっとも三菱自は、エンジンなどを製造する京都製作所(京都市)に関しても「古いエンジンは終了せざるを得ない」と将来的な生産態勢の縮小を示唆。裾野が広い自動車産業は地方経済を雇用や税収面で支えており、「大手でこのような動きが出ると、地方創生の観点から大きな痛手」(自民党閣僚経験者)と不安の声は強い。
 コロナ禍で自動車市場が低迷する中、三菱自の苦境は際立っている。中期計画では、工場閉鎖や欧州での新車販売凍結など構造改革により、営業損益を2021年度に黒字化させる青写真を描く。しかし、新型コロナの影響を今年度のみと見通すなど、社内からも「見通しが甘過ぎる」(幹部)との批判が出ている。業績回復への道筋はいまだ不透明だ。 

(ニュース提供元:時事通信社)