政府は、都道府県が地域の実情に応じて新型コロナウイルス感染症対策を効果的に講じるための指標づくりに着手した。7月以降、東京都だけでなく全国各地で感染者が急増している事態を重視。状況がさらに悪化した場合、知事が指標を根拠に、感染リスクが高いとされる飲食店などの営業を夜10時までに短縮するよう要請することが柱となる。政府関係者が28日、明らかにした。
 有識者による新型コロナ感染症対策分科会は先週、感染のさらなる拡大に備えた今後の対策と判断の指標づくりを提案。これを受け、政府は31日に改めて分科会を開き、指標を含む対応策のとりまとめを急ぐ。
 政府は、新型コロナで経済が被っている深刻な打撃を憂慮しており、緊急事態宣言の再度の発令について「基本的にはあり得ない」(関係者)と否定的。このため、クラブなど接待を伴う飲食店や酒を提供する飲食店に対し、宣言前でも幅広い「協力要請」が可能な新型コロナ対策の特別措置法第24条に基づく対応を強化。地域ごとに感染状況を踏まえたきめ細かい対策を講じることで、社会・経済活動との両立を図る。
 具体的には、感染状況を分析する指標として、重症者および60歳以上の感染者の数や全体に占める割合を盛り込む方針。病床に占める入院患者数の割合を示す「病床占有率」も検討材料に挙がっている。ただ、厳密な数値基準とはせず、「感染悪化を判断する一つの材料」(政府関係者)と位置付け、裁量の余地を残す方向だ。
 こうした指標を基に知事が必要と判断すれば、対象地域内にある接待を伴う飲食店などに、夜10時以降は営業しないよう要請する。また、感染防止ガイドラインを順守していない店に対しては、営業自体を取りやめるよう求める。 
〔写真説明〕スナックやナイトクラブなどが立ち並ぶ名古屋市内の歓楽街「錦三丁目」=28日午後

(ニュース提供元:時事通信社)