2020/07/30
防災・危機管理ニュース
30日午前9時ごろ、福島県郡山市島の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜 郡山新さくら通り店」で、「爆発音がした」と通行人から110番があった。県警によると、全壊した店舗の跡から男性1人の遺体が見つかったほか、19人が重軽傷を負った。
店舗のプロパンガスが漏れていたほか、同日は改装工事が予定されていたことも判明。県警はガスに引火して爆発が起きた可能性があるとみて調べている。
死亡したのは、内装工事の現場責任者を務めていた会社員古川寛さん(50)=仙台市太白区山田本町=。付近にいた40代の女性2人が重傷を負ったが命に別条はない。残り17人は軽傷という。
県警などによると、爆発事故が起きたのは市内の幹線道路に面した店舗。平屋の建物(延べ約163平方メートル)が全壊し、骨組みだけが残った。新型コロナウイルスの影響で休業していたが、営業再開に向けて改装工事を進めていた。
会見した運営会社によると、古川さんが店舗入り口のセキュリティーを解除した後、すぐに爆発が起きた。改装工事は故障したガスコンロの近くにIH式コンロ用のコンセントを設置する工事で、30日から急きょ実施されたという。
消防によると、現場からプロパンガスのボンベ6本が発見されたが、うち3本からガスが漏れていた。事故直後、周辺ではガス臭がしたため、県警が近隣住民らを避難させるとともに現場付近への立ち入りを規制した。
周囲の住宅や店もガラスが割れ、広範囲に散乱した。現場付近に支店がある東邦銀行(福島市)によると、現金自動預払機(ATM)の利用客2人と、開店準備中だった行員2人がけがをした。
現場はJR郡山駅から西に約4キロの住宅街。
〔写真説明〕爆発事故が起きた飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜 郡山新さくら通り店」=30日午後、福島県郡山市
〔写真説明〕ガラスが割れた事故現場周辺の建物=30日午前、福島県郡山市
(ニュース提供元:時事通信社)


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