気象庁は31日、九州では3日から8日までの6日間に積乱雲が連なる「線状降水帯」が9回発生したと発表した。2018年の西日本豪雨の際に九州で発生した4回に比べ、2倍を超えた。同庁の杉本悟史主任予報官は「線状降水帯はスケールが小さく、発生する範囲や持続時間などの予測が難しい」と話しており、熊本県の球磨川の氾濫や土砂崩れなどで大きな被害が生じた要因と考えられる。
 気象庁は線状降水帯について、3時間積算雨量が80ミリ以上の分布域が線状であることや、ほぼ同じ位置に5時間以上停滞することなど、4条件を定めて過去の豪雨と比較した。その結果、九州での発生回数が多かっただけでなく、総雨量に占める線状降水帯による雨量の割合が福岡、大分、熊本、鹿児島各県で7割を超えた所があり、西日本豪雨の最大5割超より高かった。
 7月前半はユーラシア大陸から日本付近にかけ、偏西風が蛇行する一方、太平洋高気圧が平年より南西に張り出した結果、梅雨前線が西・東日本付近に停滞。梅雨前線に沿って西から流れ込む水蒸気と、太平洋高気圧の縁を回って南から流入する水蒸気が合流し、線状降水帯が発生するなどして大雨が続いた。
 西・東日本に流れ込んだ水蒸気量も西日本豪雨を上回った。杉本主任予報官は「東シナ海の上空から九州に流れ込む水蒸気については、東シナ海上に観測点がないため、予測に使えるデータが十分ではない。気象衛星による観測では大気下層の水蒸気を捉えるのが難しい」と説明した。気象庁は8月をめどに異常気象分析検討会を開き、豪雨要因を詳しく調べる。 

(ニュース提供元:時事通信社)